大学生バックパッカーの中東旅行記(レバノン/ベイルート編)

中東旅行記(レバノン/ベイルート編)

〜レバノン・中東のパリ〜 2005年8月

今回もアエロフロートロシア航空だった。例によってものすごく暗〜い空港を経由してレバノンの首都・ベイルートに入った。どんな国なんだ?まさかいきなりイスラエル軍が襲ってくるとかないよな?めっちゃ怖いぞ、毎回毎回一度は思うがなんでこんな国へ来たんだ?(笑)

とりあえず地球の歩き方にある安宿、タラルズへ向かった。オーナーのザヘルは気さくでいい人だったが若干うざかった。自分が慣れていないのもあるせいかあまり会話もできなかった。

ベイルートは想像していたよりも平穏で優雅だった。特に目立った観光地はなかったけれど、街には高級なホテルがあり、ヨーロッパ風の家が並んでいて、街の人たちは欧米人のような格好をしている。海の近くということもありカップルがたたずんでいたりジョギングをしている人がいて想像していた中東とは全く違うものだった。


唯一の観光名所の鳩の岩

地球の歩き方には中東のパリと書かれてある。確かに何も知らされないでベイルートの写真をみたらヨーロッパと思ってしまうだろう。そのくらいヨーロッパと大差ない街並みだった。

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全くガイドブックには乗っていないモスクへ入った。中には誰もいない。ひっそりとしていて静かだった。一人でたたずんでいるとこのモスクの教主のような人が出てきて「何をしているんだ?」と聞かれ、「ただ見てるだけだ」と答えた。そうすると「ゆっくりと見ていけ」と彼は静かに言い、しばらくすると地下の控え室のようなところへ連れて行ってご飯を作ってくれた。

カタコトの英語でお互い話をした。何を話したかは覚えていないけれど彼は「イスラム教にはどんなイメージがある?」と聞いてきた。なんと言っていいかわからず黙っていると、「もしかしたら日本人にはイスラム教徒は怖いイメージがあるかもしれない、だけどあれは一部の馬鹿なイスラム教徒がやっているだけのことなんだ。大多数のイスラム教徒は平和を望んでいる」といわれた。なんとも言えない気分だった。切ないような悲しいような。とりあえず、ここに来る前に中東諸国を怖いと思っていた自分を恥ずかしいと思った、そして帰国したらこの人に言われた話をありのまま友達や家族に伝えようと思った。

レバノンはイラクとはそんなに関係がないものの、南側がイスラエルと接しており、国境をめぐって紛争をしている国である。ヒズボラというイスラム教シーア派がイスラエル政府と交戦を続けていていつ戦争が始まってもおかしくないとネットにあったがベイルートの街はそんなことを感じさせない、なんの危険もないごく普通の人が普通に暮らしている普通の街だった。

(しかしこの1年後の2006年、イスラエルがベイルートを空爆し、ベイルートは廃墟と化してしまう。)

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