大学生バックパッカーの中東旅行記(イスラエル入国編)

大学生バックパッカーの中東旅行記(イスラエル入国編)

〜イスラエル入国〜 2005年8月

楽しかったクリフホテルからイスラエルへ向かった。イスラエルは誰もが知っているユダヤ人の国。そしてよくニュースでパレスチナとの和平問題で紛争が起こっていると報道されている国だ。これまで行ったことのあるどこの国よりも入国するのが怖かった。実際今までに色々と自分なりに調べた結果イランとかシリアとかヨルダンではテロは起こりそうで起こらないという自信があった。テロが起こる確率は日本で交通事故に会う確率よりも低いというデータを自分なりに出して、自信を持って旅行をしていたのだ。

でもさすがにイスラエルは少しだけ自信をなくした。確かに戦時中の国ではないが、国の一部のテロリストが紛争を起こしているのではなく国自体が戦争を起こしそうな国なのである。仮にテロが起こったとしても言い訳できない。ここだけはどうしようもない、神に祈るしかないと思い、ある程度覚悟を決めて自分で納得してから国境へ向かった。


ミニバスで国境に向かうと、欧米人のような人が日本語で話しかけてきた。おそらくイスラエル人なんだろう。彼に連れて行かれ、荷物検査をした。荷物をすべて出してカメラなどを入念に調べられた。爆弾テロが起きないようにチェックしているのだろう。その後、入国審査をした。通常の入国審査は名前と入国期間、入国の目的くらいしか聞かれることはないが、イスラエルの入国審査は長かった。通常の10倍くらい、実際40分くらい審査をされた。

名前は?
どのくらいイスラエルにいるんだ?
なぜイスラエルに入国するんだ?
シリア人やイラン人に友達はいるか?
シリアに入国したときにだれかから荷物を預かったか?
両親の名前は?
家族構成は?
大学生か?
専攻は?
このお金は誰にもらった?
自分で働いて稼いだのか?
日本では大学生のアルバイトでどれくらいのお金が稼げるんだ?

などなど・・・うんざりするくらいの質問攻めに辟易とした。これまで入国審査でこれだけ質問された国は他にない。これだけの問題を抱えている国だ。入国にも神経質になっているのがよくわかった。

入国審査が終わり、パスポートを一度預からせてくれといわれたので審査官に渡して、待合室で待たされた。4時間くらい待たされただろうか?綺麗に見せているもののハエが飛んでいたりして不衛生だった。アラブの国はある程度不衛生でもそんなに気にしないが見た目が綺麗な分、この不衛生さは好ましくなかった。

通常4時間も待たされることなどありえない。相当な時間をかけてパスポートをチェックされているようだ。多分、イスラエルと仲の悪い国のスタンプが沢山あるからだろう。ヨルダンとトルコはまだアメリカ経由でイスラエルとそれなりにうまく外交関係を築いているがイラン、レバノン、シリアなどの国とイスラエルとの関係は最悪だ。いつ戦争が始まってもおかしくない状態である。

ここまできて入国できないのも悔しいなと思いながら不安になっていると、パスポートが返却された。そして入国のスタンプを審査官の方から別紙に押すと言ってきた。イスラエルのスタンプを持っているとシリア、イラン、レバノンに二度と入国できなくなる。確かな情報ではないがサウジアラビアやスーダンなどの他のアラブ圏の国にも入国ができなくなると噂で聞いていた。

でも、おそらく一生シリアやイランに入国することなどないだろう、最悪、日本に帰ってきてからパスポートを紛失したことにして新しく作ればいいだけのことだ。

そのままパスポートにスタンプを押してもらい、エルサレム行きのミニバスに乗った。朝早くアンマンを出たのに、エルサレムに着いたときには夕方になりかけていた。

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