東ヨーロッパ旅行記(チェコ/プラハ)



〜チェコ・プラハの冬〜 2006年1、2月

ドレスデンからプラハへ夜行列車で向かったわけだが、夜行列車といっても寝台列車ではないのでベッドなどはない、ただコンパートメント式の長椅子があるだけ。幸いにも人がほとんど乗っていないのでコンパートメントを一人でベッドのように使うことができた。椅子が丁度いい幅でよく寝れるかと思ったが、微妙に長さが足りず、結局真っ直ぐな体勢になることはできなかった。

夜中にいきなり電車が止まった。何があったのか分からないが、外は猛吹雪である。東ヨーロッパで共産主義国家の国家警察のような帽子をかぶった年配の駅員がよくわからない言葉で何か言っている。どうやら降りろということのようだ。まるで映画を見ているみたいだ。外は猛吹雪である。真夜中にこんな天気で、どこかもわからない場所で降ろされたら凍え死ぬと本気で思った。必死に英語で「何故降りるんだ?」ということを聞いて抗議した。抗議した結果なのか、それとももともとそういう意図だったのか分からないが、ただ列車を乗り換えるだけであり、乗り換えた列車で一眠りした。

おきると列車の中で入国審査が行われた。ということは、あれはドイツでの出来事だったのだ。ドイツであのような乱暴なことが起きるのかと不思議に思っていたが現実なのだからしょうがない。そしてチェコは何故か入国審査があった。シェンゲン協定に加盟していないのだろうか?というよりもむしろスロバキアは加盟していたのだろうか?もともとチェコとスロバキアは1993年までチェコスロバキアという同じ国だったのである。おそらくスロバキアも加盟しておらず、プラチスラバへ向かったときの列車では、駅員が入国審査を忘れていただけなのだろう。

プラハに着いた時はすでに夕方だった。プラハに入ってまず気づいたのがホームレスの多さである。ドイツやオーストリアにはほとんど気にならなかったホームレスがチェコでは街中に溢れている。彼らは何もせずただお物や金を乞う格好をしてじっとしている。この寒さの中である。日本のホームレスとは違う、彼らは物乞いなのだ。

プラハの冬は寒かった。緯度はほとんど変わらないはずなのにドイツよりさらに寒く感じた。北海道よりも寒い。マイナス10度くらいにはなっていた気がする。服を何枚も重ね着をして、上にかなり厚いコートを羽織ってもそれでも寒い。日本から持ってきたホッカイロが全然効果をなさない、出てきた鼻水が凍ったのには驚いた。この寒さは尋常ではない。

とりあえず地球の歩き方にあるユースホステルに向かったが、一杯だったので自分で宿を探すしかなかった。この寒さで、街の雰囲気も悪い。あまり暗くなってから歩き回らない方がいいと思い、声をかけてきた客引きが連れて行った宿に泊まった。ユースホステルではなかったがドミトリーがあり、値段もユーロ換算で10ユーロくらいとドイツのユースホステルに比べてかなり安かったので、ここに決めた。ただ、ドイツやオーストリアのユースホステルに比べてやはり清潔とは言えず、雰囲気も悪かった。スタッフにもやる気がない。ドイツに比べてどこか暗く、荒廃している感じがする。ちょっと怖かった。

宿でチェックインを済まして安心したせいか、外に出てみたくなった。近くに旧市街広場があり、カレル橋とプラハ城以外の観光名所はこの周りに集まっている。

観光名所なのに、夜はだれもいないかった。そしてとにかく寒い。そんな中一人で見てまわるのはちょっと怖かった。でも見ていると、プラハの建物の荘厳さに感動した。プラハはヨーロッパ建築の繊細さよりもどちらかというと力強さを感じる。おそらくフランスやドイツは観光地化されているせいか、過ごしやすいというメリットはあるだろうが、実際、中世ヨーロッパの世界を肌で感じるのは東欧の方が良いのかなとも思った。

翌日、カレル橋を通ってプラハ城に登ってみた。カレル橋はプラハ1の有名観光スポットだが人はまばらだった。やっぱり冬のヨーロッパには誰も観光に来ないのだと改めて思った。ましてやドイツやフランスやイギリスみたいなメジャーな国でもない、東欧のチェコである。そしてこの寒さに凍えているとその考えは確信に変わった。絶対に真冬のこんな寒い中チェコに観光する人なんていない。

カレル橋にはマリオネットを操っている大道芸人が何人かいた。マリオネットは見ていて楽しい。チェコはマリオネットの本場だと地球の歩き方に書いてある。実際マリオネットの大道芸を見ていると、どこか中世ヨーロッパの趣があって幸せな気分になった。夜、出発の列車まで時間があったので、人形劇を見に行った。人形劇はコミカルで楽しい。マリオネットって言う言葉は日本ではあまりいいイメージじゃないけど、本当はこういう楽しいものなのだと思った。


ホテル代を浮かすために夜行列車にのり、次の目的地、ポーランドのクラクフへ向かった。

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